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きみに読む物語のmarrrrrのネタバレレビュー・内容・結末

きみに読む物語(2004年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

直球のラブストーリー!

老人ホームに入居している美しいおばあちゃんのもとに現れる謎のおじいちゃん。
本の読み聞かせをしてくれるとのこと。
その本は、南部に住む肉体労働をしている青年と、ニューヨークに住むお金持ちの家の娘が、夏のバカンスで出会い恋に落ちるお話。

美しい映像と音楽で、最後まで飽きずに楽しめました。

ノアからのアプローチであっという間に恋に落ちた2人。夏休みのキラキラした日々が眩しかったです。

アリーの父親は、ひと夏の恋だからと、身分違いの恋に複雑な思いを持ちながら見守る姿勢。
母親はなぜかやたらと感情的に反対していました。
なんでだろう…と思ったら、お母さん!!そんな過去が!!というのが終盤で明らかになりました。
ノアが仕事や収入を語ったときの、これから起こる出来事を彷彿とさせるような苦虫をかみ潰したような表情。悔しいけどアリーとノアの世界の間にある大きな溝が見えました。

典型的な南部のお金持ちの別荘という感じの家で夏休みを過ごすアリーは、ノアとの格差を意識せず無邪気に住みたい家を語りました。
その時のノアの見せた切ない表情は、労働者階級からは抜け出せない、格差社会であることを感じさせます。

海で「私は鳥の生まれ変わり」とはしゃぐアリーを見る切ない眼差しとなかなか同意しないノア。
後半再開した後に「渡り鳥は夏が終われば元いた場所に帰っていく」と言っていて、無邪気に恋をするアリーと対象的に、ノアは夏の間だけの恋であることを恐れていたのだと感じました。
再開後に「今年はまだいる。」と言っていたのもアリーと重なる部分がありました。

その後、帰りが遅くなったことで警察沙汰にまでなりめちゃくちゃ怒られるアリー。
あっという間に2人は離れ離れに…
ノアが恐れていた事態になったのでした。。

その後何年もなんやかんやありながら再開する2人!
話題になったキスは確かにすごく情熱的で印象的でした。

ノアがアリーにずっと言い続けてきたことは
「君はどうしたい?」
親の敷いたレールを歩くのではなく、相手の意向に答えるのではなく、アリーがどうしたいのか。
もしアリーが自分自身で決めたことならノアも納得するし耐えられると。
印象的なセリフでした。

舞台は老人ホームへ。
子供や孫に会っても何も覚えていないアリーおばあちゃん。
そこでノアがどれだけアリーを愛しているかが語られます。

ノアが物語を読むうちにふと記憶が戻るアリー。
ひとときの夫婦の時間を楽しむノアとアリー。
でもあっという間に記憶が消えてしまう…
泣くノア。
悲しくて涙がとまりませんでした。

そのあたりからラストまでほぼ泣きっぱなし。
ノアの大きく一途な愛。
ラストシーンも2人の愛の奇跡が起きて…
切なくも暖かな終わり方でした。

原作は実話に基づいた小説で、筆者の妻の祖父母のお話だそうです。
脚色はあるでしょうが、現実にあった物語ということで、よりリアルな愛の物語になったんだろうと思いました。
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