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ゆきゆきて、神軍のkurageのネタバレレビュー・内容・結末

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

原一男監督の映画を観ていこうということで、彼の代表作であるこちらをレンタル。またしても、とんでもないものを観てしまった。

奥崎謙三氏のことは全く知らなかったので、まずはそのキャラクターの強さに驚いた。
太平洋戦争、パプアニューギニアから生き残った数少ない復員兵の一人だった奥崎は、自分のいた部隊であった射殺事件を調べていくうちに人肉事件にたどり着く。事件に関わった人たちは復員後、沈黙して余生を過ごしていたけど結局は奥崎氏によってカメラの前で話すことになる。これはすごい記録だ。
とはいえ、自分の正義のために人を殺してもいいっていうのはダメ。奥崎は射殺事件を命令した上官のところに会いにっているのだが、のちに射殺しようとして家に乗り込み、その息子を撃ち、逮捕されてしまう。
街宣車で一人、活動する姿を見守る妻。射殺事件の被害者の親族と偽って、奥崎に同行する妻。獄中にいる夫に面会した後の妻。飄々として、何を考えているのかよくわからない。
とにかく、何が起きるかわからないので目が離せない時間だった。

戦争の起きている今だからこそ、観て、考えたい作品ではある。戦争に実際に送られた兵士たちが命からがら帰ってきたとしても、その後どのような人生を辿るのかー。
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