ペジオ

ウェールズの山のペジオのレビュー・感想・評価

ウェールズの山(1995年製作の映画)
3.3
実際よりは6メートルくらい盛った噺

何故かこの映画を「スリラー」だと思ってた(ジャケットの青白い色合いやヒュー・グラントの含みの有る悪人の様な笑顔のせいかもしれない。)
観てみたら、「丘に登って山を下ったイギリス人」っていう原題の「どういう事?」な感じからも、「落語」にできそうなイイ「噺」で思いの外楽しい
それはそれで嬉しい驚きではあった

ただ、ウェールズという土地柄を「好意的」に盛って描いてるからホッコリした可愛い噺になってるだけで、「何故か村から出られない」「正確に測量した筈の山がまるで意思があるかの様に少しずつ高くなっている」「田舎の余所者を拒む閉鎖的な感じ」とか、語り口を変えたら立派に「スリラー」になるよなコレ(監督自身がウェールズ出身の様なので、「地元愛」という客観を欠いた感情がこの作風を選択させたのだろうか。正直理解できない感情だし、気持ち悪いとすら思う。)
映画の暖かみのある色調を、イギリスらしい曇天の灰色がかった色味にしたら不気味さも大分盛れるだろう(暗い画面でそびえ立つ山のシルエットとか考えただけでも不気味だ。)

個人的には「自分たちの事情ばっかり主張して、こっちの事情を鑑みない人たち」は好きになれない
フィクションだから…結果として邪魔されてたヒュー・グラントにもちゃんと「恩恵」があったから、まだいいが…(校長の扱いとかまあまあ理不尽だよな。)
ラストも「現実にこういうことを本気でする人たちがいる」という「恐怖」をほんのちょっぴり感じた

タラ・フィッツジェラルドが妙にエロい
きっとヒュー・グラントの「丘」も「山」になって…
お後がよろしいようで…(よろしくない。)
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