ヨダセアSeaYoda

鉄道員(ぽっぽや)のヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

鉄道員(ぽっぽや)(1999年製作の映画)
4.1
観た回数:1回
直近の鑑賞:Amazon Prime(20.03.30)
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 志村けんという国民的スターへの追悼の思いも込めて、父が長らく薦めてくれていた本作を鑑賞。
 志村けんは少ししか出てきませんでしたが、非常に印象的な役で爪痕を残していました。


【STORY】
 鉄道員(ぽっぽや)・乙松。自分が仕事をしている最中に妻も子も失った。自身が務める路線も、近々無くなってしまうことが決まった。
 それでも、彼は真っ直ぐで不器用なぽっぽやで在り続ける。それが彼という男の生き様だ。


【涙の感動作】
 物語が非常に美しく、涙なしには観れない感動作でした。

 思い出・記憶の辿り方に現実味があって、かなり感情移入してしまいました。

 そうなんですよね。思い出って、必ずしも綺麗な回想のように順番に出てくるわけじゃない。
 時系列もバラバラに、ふとした瞬間に頭に降ってきて、切なくなったり、幸せな記憶に浸ったりする。そういうものだよなぁと、今作の表現にハッとさせられました。


【生き様】
 意地、信念、優しさ、悲嘆、自責、そして救済…
 1人の不器用な男の生き様を、北海道の美しく過酷な雪の中に描きます。

 これ以外何もできない。でも、これだけでは誰にも負けない。そういう職人気質みたいな人って、ちょっと怖いけどかっこいいんですよね。
 それに、高倉健演じる乙松は、不器用だけど誰に対しても本当に優しくて、心から惚れてしまうような人でした。

 悪いねぇ、ごめんねぇ、などと言われた時の彼の「なーんも」が本当に温かくて、優しくて、素敵でした。


【色合いが素敵】
 色褪せたカラーリングも終始美しく、雪景色とノスタルジックな雰囲気に引き込まれました。
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