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女房族は訴えるのisopieのレビュー・感想・評価

女房族は訴える(1956年製作の映画)
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特集/昭和家庭日乗 わたしのかぞく

サラリーマンもの+ホームドラマ。フツー。
両親が佐野周二と三宅邦子で、東宝というより松竹映画の趣も。
ジェット機のあだ名を持つ岡田茉莉子が登場すると、超音速機の効果音が流れるのは快調だが、その後は思いのほか出番が少ないので拍子抜け。東宝時代の彼女はかわいいので、もっと物語に絡んでほしかった。

撮影が玉井正夫。日本家屋の切り取りかたは成瀬映画ふう? ご丁寧にも街頭ではチンドン屋も聞こえる。

思いきり日本家屋なのに、雪村いづみや江原達怡が「パパ、ママ」と呼ぶのに違和感あり。
三宅邦子は台所(というより、お勝手のほうがぴったり)のミキサーをがまんし、雪村いづみはピアノを欲しがる。(人が通るたびにいちいち襖が倒れる立て付けの悪い日本家屋のどこに置くつもりだったのか。)
昭和31年、描写のもろもろに、高度経済成長に向かってゆく世の中が反映されている。と同時にこのあたりから本格的に戦後の東宝カラーの形成されてゆく萌芽がみえる。

日劇ミュージックホールの場面で春川ますみがちらりと映る。
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