Ryo

殺人の追憶のRyoのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
4.2
1986-1991に起こった華城連続殺人事件という当時の未解決事件をもとにしたフィクション。

■警察の拷問
この事件の際にも実際に警察から拷問を受けている人がおり、冤罪であったために自ら自殺した人が3人、拷問による後遺症で死んだ人が1人いたそう。民主化運動の真っ只中であった韓国はデモの鎮圧と事件捜査で混乱状態であった。

ポンジュノ監督の特色でもあるシリアスサスペンスとコメディを混ぜた前半から民主化運動により警察の拷問が消えよりシリアスになった後半、しかし主人公達の犯人逮捕への正義感は変わらなかった。

■飯は食ってるか?
最後の方、犯人と思わしき人物に「飯は食ってるか?」と聞く主人公。何人も強姦し殺人したお前に飯をゆっくり食えるのか?と聞いてるように思える。しかもこれはソンガンホのアドリブらしい。

■ラストのコチラを見つめるシーン
この映画が公開された時犯人は未だ捕まっていませんでした。しかし2019年になって犯人が特定、更に別の罪で収監されていた人物でした。そして犯人は刑務所内でこの映画を見てたと囚人仲間が発言している。
あのラストシーンは監督が犯人はこの映画を見るのではと思い、観客と目が合うようにしたかったと言ってます。その犯人に訴えかけているかの如く「見てるか?必ず捕まえてやる」という強いメッセージを感じ取れました。
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