田園風景が広がる韓国の農村で次々と起こる連続猟奇殺人事件に、2人の刑事が翻弄される話。
韓国を震撼させた華城連続殺人事件という実際の事件に基づいている。
事件では、1986年から数年間にわたり、10代から70代までの女性が何人も強姦の末殺害された。
永らく未解決となっていたが、別の事件で服役していた囚人のDNAと犯人のものが一致し、2019年にようやく犯人が判明したが、その時には既に時効が完成していたらしい。。
作品で描写される殺害の手口は怖すぎたし、犯人かも?という人との接触もスリリングで飽きることはなかった。
そしてラストシーンは今まで観た映画の中で最もインパクトがあったかもしれない。
ソン・ガンホの表情も凄かった。
事件の犯人を追うというストーリーが主軸にはあるが、民主化の過渡期にあった韓国において、国家権力が市民へ暴力を振るう様子が強調されており、ポン・ジュノ監督らしい社会派な視点が窺える。
『1987、ある闘いの真実』などを観ると背景が分かるが、民主化以前の韓国は、警察が市民に対して拷問や暴力を振るうことが許されていたみたい。
本作でも容疑者候補はボッコボコにされていてけっこう可哀想だった。