こつ

殺人の追憶のこつのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
5.0
韓国ノワール。
またとんでもない作品を観てしまった。
語りたいことだらけ。

ストーリーとしては王道で、特に目新しい演出があるわけではない…なのにどうしてこんなにも魅力的なのか。

主人公を演じたソン・ガンホの演技力もさることながら、監督が映す当時の韓国の鬱屈さ・血生臭さがとことんリアルで、惹きつけられた。

すぐに手が出てしまう短気な主人公と、都会的でインテリジェンスな相棒の性格が、物語が進むにつれて交差していく。
犯人が捕まらないにも関わらず、被害者は益々増えていく…。後半のシリアスな展開に向けた、前半のコミカルな前フリも、素晴らしいとしか言いようがない。笑えたし。

これからの人はレビュー読まないで観て欲しい、ガンホ共に絶望と己の無力さに震えて欲しい。ラストシーンが秀逸なので。
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