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殺人の追憶のWOODYのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
4.5
韓国史上初の連続殺人事件にして、未解決・時効成立済みの「華城連続殺人事件」をベースにした戯曲を映画化した作品。

原題がハングルなので何とも言えないが、珍しく邦題が良くハマっているな、と感じた。
脚本も演出も、俳優の演技もお見事。
邦画もこういう路線の脚本が得意な方は多そうだけど、少しずつ翻弄されていくキャリア刑事役や、気弱そうだけど狂気を孕んだ容疑者役をやれる俳優さんはほとんど知らないなぁ。

当時の操作手法の粗さとかいい加減さも、きっとリアリティ溢れるものなんだろう。そういう部分も韓国社会の歴史の一端を垣間見た気がして、見応えがあった。
DNA検査もアメリカとは言え、今よりずっと精度は低かったんだろうなぁ…(基になった事件では、何と日本にサンプルを送ってDNA検査したらしい…アメリカより更に精度は低かっただろうなぁ)

荒っぽい後輩刑事役がどうしてもブラマヨの吉田にしか見えなかった(苦笑)

【追記】
ここまでのレビューは2018年に書き残していた内容なのだが…
衝撃!2019年に犯人が特定されていた!
※ただし全ての事件で時効が成立済。
以下、Wikipediaから引用。

映画の結末と同様に、公開時点で犯人は逮捕されていなかった。時効が近づきつつあるため、ウリ党が犯人を見つけるためにより多くの時間を検察官に与えるために法律を改正しようとした。しかし、2006年に最後の事件が時効となった。その13年後の2019年9月18日、警察は50代男性イ・チュンジェを殺人の容疑者として特定したと発表した。彼のDNAは証拠のそれと一致した。彼はこの発表時点で、義理の姉妹への性的暴行及び殺害の罪で無期懲役の判決を受けて釜山刑務所で服役していた。

イは当初連続殺人への関与を否定していたが、2019年10月2日、イが未解決の連続殺人9件とその他5件を含む14人の殺害を認めたと警察が発表した。その他5件の殺人事件のうち3件は華城で発生したが、残りの2件は清州で発生している。2019年10月時点で捜査が進行中のため、この5人の犠牲者の詳細は公表されていない。彼は殺人に加えて30件以上の強姦を自白している。

犯人の特定後、監督のポン・ジュノは「映画を作ったとき、とても興味深かったし、犯人についてもたくさん考えていた。」「犯人の顔を見ることが出来た。私の感情を説明するためには、もう少し時間が必要だが、今は何よりも犯人を捕まえるため終わりの見えない努力を続けてきた警察関係者に拍手を送りたい」とコメントを寄せた。ちなみにイは収監中にこの映画を見たことがあるが、「ただ映画として見ただけで、何の感情も抱かなかった」と述べている。

1988年9月に発生した8件目の事件は、一連の事件の中では唯一室内での犯行だったため模倣犯とみなされた。 逮捕された農機具修理工の男性は血液型がB型であること、証拠品の陰毛が物証となった。裁判においては、取り調べ中に自白の強要があったことを訴え無罪を主張したが、認められず無期懲役となった。 20年の服役の後に模範囚として仮釈放されたが、家族との連絡も取らずに静かにくらしていたという。

真犯人の自白の後、2020年5月からこの事件の再審が開始された。 証人として出廷した真犯人によって犯人にしか知りえない事実が語られたため、元農機具修理工の男性は無罪となった。
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