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殺人の追憶のmoridonのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
3.8
実際の未解決事件がモデルになっているので犯人が捕まらないことはわかりきっている。それなのに話の持って行き方、残酷な描写、ところどころのシリアスな笑いにめちゃめちゃ引き込まれる。

腐敗した死体を映した直後に新鮮な肉で焼肉をするショットに移るのがヤバい。よくこんなエグい撮り方思いつくわ…

そして残酷な犯人像を追い求めていたパクに向かって犯人は“普通の顔”だったと少女が言い放つ皮肉。冒頭のどっちが強姦犯か?の会話にも効いてくる。

ラストのあのシーンは、犯人は自己顕示欲が強く自分が犯した事件が映画化されたら必ず劇場に観に来るはずだと考えたポン・ジュノが、犯人とソン・ガンホを向き合わせて目が合うように仕向けたとのこと。震えた。実際に犯人はこの映画を観たらしい。

個人的にはあれほど暴力による自白の強要を責めていたソ刑事が、親しくしていた女子中学生を殺されたことでついに怒りを抑えきれなくなりヒョンギュへ無意味な暴行をしてしまう展開に胸が苦しくなりました。

犯人は2019年に特定されたものの、もう時効で罪には問えないとのこと。悔しすぎる…
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