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マンデラの名もなき看守のバナバナのレビュー・感想・評価

マンデラの名もなき看守(2007年製作の映画)
4.0
このマンデラさん、もしや『24』でオバマさんよりも早く初黒人大統領になった人では!?と思ったら、本当にそうでした(爆)。

『インビクタス』のエンディングの写真で見たマンデラ氏は小柄に見えたので、モーガン・フリーマンといい、ちょっと格好良過ぎでは。
この映画の中で、メガネを掛けた黒人政治犯がいましたが、この役者さんみたいに無名の俳優さんがマンデラ氏を演じた方が、一見普通なのに人々を感化する力を持っているスゴイ人、というのが出せたのでは、と思いました。

アパルトヘイトは1968年に制定されたのですね。
もっと昔からあると思ったので驚きました。
マンデラさんが大学に行って弁護士になれたのは、族長の息子だからでしょうか?
それとも黒人でも昔は奨学金を受けることができたのでしょうか?
その辺の事情は映画では分からなかったのですが、とにかくこの年から法律で人種差別を認めてしまったのですね。

グレゴリーが看守として初めてロベン島に配属された時、彼はマンデラのことを「国を共産化しようとしているテロリスト」と思っている。
しかし、マンデラの側にいるうちに、彼がしているのは「共産化」ではなく「自由民権運動」である事が分かってくる。
グレゴリーは元々誠実な人間だし、子供の頃の環境など、マンデラに共感していく理由は色々あると思うが、その中でも、ちょうどクレゴリーがまだ小さい子供を育てている時期だった事も関係していると思う。

彼は子供を育てたい国、子供の将来を託したい国の在り方についても考えたのではないか。
マンデラに共感していくグレゴリーに、職場の仲間は裏切り者のレッテルを貼り、白人同士による差別も始まる。
グレゴリーの妻は、最初は夫の出世だけを望むキャピキャピした若妻だった。
その陽気で人当たりのよい性格を生かして『白い巨塔』の教授夫人並みに夫をバックアップする。
しかし、夫がマンデラに感化されても「私や子供たちの為に長い物に巻かれろ」と夫を責めたりはしなかった。
グレゴリーも家族の為に「いつでもこんな仕事辞めてやる!」と上司の大佐に啖呵を切っていた。
私はグレゴリーとマンデラの関係よりも、グレゴリーと妻との関係の方が、より強く印象に残りました。
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