けんくり

マンデラの名もなき看守のけんくりのレビュー・感想・評価

マンデラの名もなき看守(2007年製作の映画)
4.0

名もなき看守の目からみる、南アフリカの変化の軌跡。

マンデラが投獄されて数年間は、黒人差別が横行する社会。強制労働、検閲、市街での虐待など、厳しい人種隔離政策の一端を垣間見ることができる。主人公のように、黒人を迫害しない白人は差別の対象となるという不条理。

それが90年代になると、国際情勢や価値観の変化によって、マンデラへの風当たりが緩くなり、むしろ英雄視すらされるようになる。

ダイアン・クルーガー演じる妻の変化が、南アの白人を象徴するものとして描かれているのが面白い。

意外とドライな演出かつ、エモーショナルな展開も少ないので、感動作として観ると肩透かしを食らうかも。むしろ南アの現代史を概観する記録映画として観ると良いと思う。