Joker

パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンドのJokerのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

治安維持を名目としてポート・ロイヤルでは戒厳令が敷かれ、海賊と海賊に関わった者は絞首刑に処す、という布告が出されていた。捕えられた人々が次々と処刑される中、エリザベス・スワンは海賊長達による評議会開催を知らせる「招集の歌」を歌った。 その頃、ブラックパール号もろともクラーケンに飲み込まれた船長ジャック・スパロウは、デイヴィ・ジョーンズの墓場(デイヴィ・ジョーンズ・ロッカー)に送られ、大量のジャック・スパロウの幻覚に囲まれて錯乱の日々を送っていた。
ティア・ダルマと「女神カリプソの解放」を契約して復活したヘクター・バルボッサ率いる、エリザベス、ウィル・ターナーらの一行は、選ばれし9人の「伝説の海賊長」の1人サオ・フェンから「世界の果てへの地図」を入手し、ジャックを救出すべくシンガポールの港を出港した。一行は、極寒と戦い、最後には船を失いながらも世界の果てにあるデイヴィ・ジョーンズ・ロッカーに漂着した。一行はティア・ダルマの助けでブラックパールに乗って現れたジャックと再会し、デイヴィ・ジョーンズ・ロッカーから帰還する方法を解き明かし、何とか元の世界へと帰還するものの、サオ・フェンの裏切りで離散してしまう。
元の世界では、ジェームズ・ノリントンがカトラー・ベケットの部下として、フライング・ダッチマン号の指揮をとっていた。そして心臓を掌握されているデイヴィ・ジョーンズもベケットの駒と化していた。クラーケンは見せしめに殺され、海賊も途絶えていく中で、世界は制海権を制したベケットを中心に動き始めていた。ベケットは「通商の妨げになる海賊の撲滅」を目的に、ジョーンズ率いる英国海軍を評議会を目指し出航させる。
評議会を目指す一行は、それぞれの思惑を胸に秘めていた。バルボッサは「カリプソを解き放つ」、ジャックは「ジョーンズの心臓を突き刺し永遠の命を手に入れる」、ウィルは「ジョーンズの手下となった父親ビル・ターナーを救う」こと。ベケットの手に渡った「デイヴィ・ジョーンズの心臓」は、その心臓を突き刺した者が永遠の命を手に入れることができる。その代償としてカリプソの呪縛でフライング・ダッチマンの船長となり、海の死者をあの世へ送る役目を永遠に負う。さらに陸に上がれるのは10年に一度だけで、役目を怠ればジョーンズのような化け物になってしまうというものだった。
ベケットの命を受けて追ってきたフライング・ダッチマン号の砲撃によってサオ・フェンが命を落とすと、同船していたエリザベスがフェンの遺言に従い海賊長を受け継ぐ。一度はフライング・ダッチマン号に他の乗組員共々囚われるも、ノリントンが命と引き換えにベケットを裏切って、エリザベスらの逃亡を手助けする。エリザベスは「海賊の自由と、父を殺したベケットへの復讐」を胸に誓う。
海賊の拠点である難破船島では、ベケットに対抗する為に9人の海賊長達が評議会を開いていた。バルボッサは「カリプソの解放」を、エリザベスは「ベケットとの決戦」を主張するも意見はまとまらず、最終的にはジャックが「カリプソを解放して味方につけ、ベケットと決戦後に逃走」と意見をまとめた。そこにジャックの父親であるキャプテン・ティーグが「海賊の掟」を手に姿を現す。海賊の掟には「パーレイ」など海賊の法の全てが記されており、掟に基づき「海賊王」を決める投票が行われた。しかしかつての投票では海賊長がみな自分に投票するため、海賊長が決まったことはなかった。今回も海賊長たちは自分に票を投じたが、ジャックだけはエリザベスに投票し、海賊王はエリザベスに決まりベケットとの決戦に挑むことになった。
決戦の日、霧の中からベケット率いる大船団が現れた。それを見たジャックは「パーレイ」を口にしベケットと交渉するためフライング・ダッチマン号に潜入するが、相手にされず牢屋に囚われてしまう。バルボッサは予定通りカリプソ解放の儀式を行うが、その時カリプソことティア・ダルマは、ウィルからカリプソの封印方法を人間に教えたのがジョーンズである事実を告げられる。すると怒ったカリプソは、小さな蟹に分裂して海に帰ってしまう。カリプソの加護を受けられず、ベケットの大船団を前に落胆する海賊達を、エリザベスが炊きつけて戦意をとり戻す。
カリプソの仕業で海が大渦を巻く中、ブラックパール号とフライング・ダッチマン号の決戦となる。ノリントンに代わってフライング・ダッチマン号の船長になっていたイアン・マーサーは戦闘のどさくさに紛れてジョーンズに殺され、ジョーンズは船を取り戻した。ジャックは牢を抜け出し、ジョーンズの心臓が入った箱を奪い甲板に上がるも、ジョーンズと遭遇し一騎打ちとなる。ジャックはジョーンズに箱を一旦奪われるも、空中から放った銃弾により再び取り返した。エリザベスはウィルから突然の求婚を受け、バルボッサ立会いのもと戦闘中の船上で結婚の儀を行う。
エリザベスとウィルはジョーンズとの戦いで窮地に陥るも、駆けつけたジャックが折れた剣を、手元のジョーンズの心臓にかざしてジョーンズを脅すが、ジョーンズはウィルを突き刺す。ウィルが刺された所を見た父のビル・ターナーがジョーンズに襲い掛かった時、ジョーンズの心臓を折れた剣が突き刺す。剣を握っていたのは、ジャックに手助けされた瀕死のウィルであった。ジョーンズは大渦に落ちて行き、沈み行くフライング・ダッチマン号にウィルを残し、ジャックとエリザベスは脱出する。
フライング・ダッチマン号を呑みこむと嵐と大渦は治まるが、ベケットがエンデヴァー号を筆頭に艦隊を進撃させる。ベケットは弱ったブラックパール号を沈めて、海賊達を一気に壊滅に追い込もうとするが、その時フライング・ダッチマン号が海中から現れる。ジョーンズの心臓を刺したウィルは、ジョーンズの代わりに心臓を取り出されてフライング・ダッチマン号の船長となっていた。ブラックパール号とフライング・ダッチマン号がエンデヴァー号を挟むと、ジャックの号令を皮切りに両号の砲弾がエンデヴァー号を粉々にした。放心したベケットは爆風と共に海中に叩きつけられ、エンデヴァー号は木っ端微塵となる。残った艦隊も散り散りに逃げていきジャック達は勝利する。
その後、夕日が照らす丘で、ウィルはエリザベスに自分の心臓の入った箱を渡し、役割を果たすべくフライング・ダッチマン号で海へと旅立つ。トルトゥーガ島の港では、ジャックが2人の女を伴い桟橋を歩いていた。桟橋の先で待っていたのは小船と、遠くへと去りゆくブラックパール号、そして泥酔したギブスの姿だった。奪ったブラックパール号で海上に逃れたバルボッサは、部下達に不死身になれる「生命の水」のありかを示すサオ・フェンの海図を広げるが、地図の中心部分はくり貫かれていた。ジャックは自分の海賊旗を掲げた小船の上で、くり貫いた海図を広げ生命の水を探しに出航する。
10年後、エリザベスは子供と供に水平線を見つめていた。日没とともに水平線に緑色の光が走ると、ウィルが乗るフライング・ダッチマン号が現れる。
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