来夢

恋する惑星の来夢のレビュー・感想・評価

恋する惑星(1994年製作の映画)
4.2
90年代の洒落たアジア映画代表。ウォン・カーウァイと岩井俊二をみてアジア映画の魅力に目覚めた当時の若者は多いはず。映画の色味だったり大胆なカットの繋ぎ(ストーリーぶった切って全く違うシーンに繋ぐ)だったり、ストーカー気質な恋愛だったりは彼ら共通の魅力ある部分だと思うけれど、いまだにちょっと洒落た風を出したいんだろうなって映画はここら辺を意識している感じがするよね。ただ、ここまで作家性の高い映画ってなかなか見られなくなってるし、ビジュアルや構成の真似はできても、感性に訴えられるかは別の話なので、そういう点でやっぱり突出している監督だよな。まぁまだまだ演出面とかでも学べるところは多いと思うんだけれどね。モノローグってあるじゃない。モノローグを上手くみせる(聞かせる)ことに苦戦している映画ってよく見るし、それが鼻について残念なことになってる映画って多いなって思うけれど、本作の、モノローグを聞かせて、暫く時間をおいてからモノローグに沿った行動を見せるってやり方が痺れるようにカッコイイのよね。これもみんな真似したらいいとか思うんだよな。いや、パクるのはよくない。自分で考えて作りましょう(さっきから何様なんだろう。ごめんなさい)。
主演のメンズ二人はまだあどけない金城武とトニー・レオン。当時はカッコイイと思っていた金城武は今おじさん目線でみるととても可愛い。ジョン・ウーはこの映画を意識してレッドクリフでこの二人をコンビにしたんじゃないかなと思ったり。そしていつものタランティーノが絶賛した映画でもあり。ハリウッド映画ではなかなか見られないアジア映画の魅力をふんだんに感じられる映画です。
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