ミシンそば

歓びの毒牙(きば)のミシンそばのレビュー・感想・評価

歓びの毒牙(きば)(1969年製作の映画)
3.2
ダリオ・アルジェント長編デビュー作。
雰囲気はすでに完成されてはいるものの、二作目にあたる「わたしは目撃者」以上にブラッシュアップは足りず、まだ何もかもが粗く、トリックの明かし方も完全に納得できるものとは言えない。

殺人者の内面の掘り下げ方や、気のいいキャラとの洒脱な会話劇に関しても同様に粗い。
ここから切り出して、キレイな形に仕上がったのが、燦然と輝く後発作品なのだ。
その“基本型”の、雑味も含めたテイストを味わえた(変人画家のシーンは、要るとは思うが不快だった)。

観終わってから冒頭をいざ観返すと、例の「動きの種類」と「表情」が全く違うことに気付かされるため、やっぱりここら辺の芸の細かさは流石だとは思った。