記録
【信仰の回復、サヨナラホームラン⚾️】
シャマランは荒唐無稽というスタイルを保ちながら、それでいて一定のリアリティを獲得している。否定できない荒唐無稽さは非常に恐ろしい。
2ヶ月ほど前のアメリカで飛行機事故が相次いで発生していたが、まさに彼の『ノック 終末の訪問者』と同じではないか。それに、コロナ禍を経験した我々が彼の『ハプニング』を否定できるはずがない。本作も同様、もしかしたら…がある以上馬鹿にできないところが恐ろしい。
しかしそれよりも作風が何とも恐ろしい、めちゃくちゃに怖い。これ程までに怖い映画は中々ないだろう。タク・フジモトのキャメラが凄すぎて本作の異様さを更に引き立てている。シャマランが天才であると同時に、タク・フジモトが素晴らしい撮影監督であることが改めて分かる。
何故こんなにも冒頭から常に画面に緊張感が張り詰めているのか理解できない、ヤバすぎる。単純な会話ですら異質さを感じる、どうすればこのような画面が完成するのだろうか、被写体の緩慢さも要因の一つな気がする。
見えないもの・状況に対するアプローチの感覚が天才的で、演出の妙が光りまくってる。敵に襲われる屋内のシークェンスは、音響を含めて死ぬほど怖い。地下室の場面におけるライティングは神がかってる。映画であるに関わらず余裕で真っ暗闇を撮れたり、アクションを映さなかったりと半端ない胆力。
『愛されちゃって、マフィア』でも感じたけど、やっぱりタク・フジモトの滑らかに運動するキャメラが好きだ。
最後は爆笑で終わることのできる気持ちの良い作品、巷の評価は低いが俺は徹底的に擁護する。
2025,8本目 1/28 AmazonPrime
2025,30本目 4/8 AmazonPrime