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パッチ・アダムス トゥルー・ストーリーのpicaruのレビュー・感想・評価

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『パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー』

「ロビン・ウィリアムズに医者をやらせちゃダメ」
ってあれほど言ったじゃないか!
傑作の条件なんだ!
だいたい、ロビン・ウィリアムズが出演というだけで傑作になるのに(笑)

本作、期待の100倍よかった。

今日は朝から体の調子が悪くて、いつも使っている鎮痛薬も手元にないし、のんびり医療ドラマの映画でも観て気分だけでも落ち着かせるか、などと思って再生した一本。

痛みを忘れるどころか元気になってしまったよ(笑)
ロビン・ウィリアムズの笑顔は薬よりも効く。

主人公は医学生のパッチ・アダムス。
笑いとユーモアで患者を元気にしようと病院と大学を行き来する。
患者、という言い方は変かな?
そもそもパッチに患者という概念はない。
医者も患者も対等な人間だと思っている。
実は、彼は過去に精神病院に入院し、そこでの患者との出会いで医学の道を志すことになる。
尊敬する医師と出会って医者を目指そうとするのはよくある話だが、患者から学んで、患者に救われて、医者になりたいというのはちょっと変わっていて、だからこそ医療の価値観も変えてくれるすばらしい作品だった。

パッチの笑いに癒され、病院全体が明るくなっていくのだが、伝統と規律を重んじる医療の世界では、彼を快く思わない人もいる。
そんな医療関係者たちを説得しようとするシーンで、パッチは自身の考え方を真摯に伝える。

「死を遠ざけることよりも、生を高めることこそ医療だ」

無関心こそ一番危険なんだ。
死から目を背けるのではなく、向き合った上で、今の生の質を向上させたい。

夢物語にも思えたパッチの医療論は、人々の心を掴み、結果的にたくさんの人々を救うことになる。

実話に基づく話。
可能性の話。
パッチ・アダムスという一人の人間の、生き方の話。

ロビン・ウィリアムズがまたもや希望を与えてくれました。
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