三四郎

上海特急の三四郎のレビュー・感想・評価

上海特急(1932年製作の映画)
2.5
まさかハッピーエンドになるとは思わなかった。当時はどうだったのかわからないが、男の欲望と浪漫が詰まった映画って感じで、現代の感覚からするとちょいと恥ずかしい映画に思える。スタンバーグ監督は本当にディートリッヒに惚れて込んで心底愛していたのだろう。マレーネ・ディートリッヒのアップがそれを物語っている。淡い映像から浮かび上がるディートリヒの陰影ある顔。その魅惑的な視線。
川喜多夫妻渡欧日記に「マリーヌ・デイトリッヒが来る。鳶色のいでたち、平顔で頬骨が高い。どうしてこの顔が、あんな素晴らしい蔭影のあるマスクになるかと不思議になる。フェデールの言ふ通り、獨逸女(ドイツ女)の世話女房型だ」と書いてあった。
決して美人ではない彼女がスクリーンで映えたのは、キャメラ越しの監督が彼女に心奪われていたからとしか思えない。
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