ABBAッキオ

孤高のメスのABBAッキオのレビュー・感想・評価

孤高のメス(2010年製作の映画)
4.2
 丁寧、という言葉がまず思いつく佳作。演技、演出、脚本、音楽、すべて時間をかけ、性急さや大げささを避けて作られている印象。地方の市民病院で勤務する看護士(夏川)の目を通してみた、情熱的で優秀な、都はるみの演歌を愛する外科医師(堤)の姿。堤の眼差しはこういう求道者的役によく合っているのだろう。医師を心から尊敬し、見つめる夏川の穏やかな口調。音楽もやさしく、夏川の穏やかな口調を邪魔しない。移植後の肝臓が血流で赤味を持つ場面、どうやって撮ったのだろう。医療ドラマは無数にあるが、オペ室の雰囲気を伝える点でも出色と思う。専門家に聞いてみたい。大手術後に出る拍手と、それが最後と分かっていてためらいながら拍手する夏川。他の出演者もみな気持ちよい演技を見せている。
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