円谷英二の特撮ものは、手作り感にとても惹かれる。
妖星ゴラスが周囲の星を飲み込みながら大きくなり、太陽系に突入。このままでは地球が危ない。世界各国の首脳たちは知恵を絞り、南極に大規模なジェット噴射を建設して、地球を移動することで危機を脱しようとする。
いやもう、すごい規模の計画が面白い。そして、地球の移動によって、地殻が変動し、眠っていた怪獣が目覚め、海面が上昇して津波が起こる。その一つ一つの検証なんかは、そこそこいい加減なんだけど、それでも、「うん、そういうことも起こりそうだな」とは思わせてくれる。
そう思わせてくれるのは、池部良、志村喬、上原謙、小沢栄太郎、西村晃、平田昭彦、白川由美、水野久美、田崎潤など、昭和の名優たちの演技があるから。演技というより、存在感とか眼力かな。
正直、映画そのものの出来としては、★3.5くらいだと思うのだけれど、この映画に★4以下をつける勇気がなかった。