田山信行

ピースキーパーの田山信行のレビュー・感想・評価

ピースキーパー(1997年製作の映画)
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核ミサイル発射を巡るテロリストとの攻防。ドルさんの映画としてはとにかく展開がモタつかないだけでも奇跡。

高層ビル屋上を飛び越えていくカーチェイスや独特な構造のサイロでの攻防、ミサイル発射室での格闘など独自のアクションシーンがそれなりに盛り込まれている。それほど多くはないもののドルさんの格闘戦をそれなりにスピーディに見応えあるものに演出できているのも高ポイント。

映画の規模としてはTVMレベルという感じであまり派手さはないもののその枠内で出来ることは過不足なく詰め込んでいる。改めてドルさんの映画の中では最高傑作という期待を乗せて観るほどのものかというとアレだがテレビ洋画で育った世代には楽しめる作品。程よいお茶の間サイズ映画というか。

核爆発による被害とそれを扱う核武装国家の責任など意外や真面目にテーマを語っていてコレがなかなか一本芯が通った作品にもなっている。この当時は劇中で実際に核爆発が起こってしまうのを克明に描いた作品が他にもあったと思う。

またこの当時の日曜洋画劇場はドルさんの新作を未公開まで含めていち早く放送してくれていたので初見は日曜洋画劇場だった。良い時代だったな。間違いなくドルさんもお茶の間の映画スターだった。もっとテレビ吹き替え作品などDVD化されて良いと思うのだが。
田山信行

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