たむランボー怒りの脱出

ヴァンダの部屋のたむランボー怒りの脱出のレビュー・感想・評価

ヴァンダの部屋(2000年製作の映画)
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やはり本当の「咳」はフィクションでは撮れないな、と思った。
ヴァンダがむせて咳をする場面が何度もあるが、どれもが本当の咳であって、劣悪な居住環境のもとで暮らすヴァンダにとっては日常的に起こることである。これは咳の映画だな。

フィクションにおいては何からの意味を帯びてしまう咳とは違った、単なる咳。咳そのもの。
コンクリート壁の暗くて狭い部屋にひびくヴァンダの咳の音が耳にこびりつく。
そういえばワン・ビンの『三姉妹~雲南の子』も咳の映画であった。