リスボンのスラム街が舞台のドキュメンタリー。
汚れた部屋、戸口に立つ人、通り過ぎる人などカメラが何かを追うわけでなく、ただ荒んだ日常の陰影を切り取るスタイルが中々印象的(多少の演出はありそうですが)。ただそこにある現実を教えてくれます。
ただこれで3時間は長い...。映す角度とかもセンスあると思ったけれど、抑揚のない現実を見せ続けるなら2時間くらいで良かったかな。
「この国は世界で一番惨めで貧しい」
炙ったアルミホイルを吸い、病的な咳を繰り返すヴァンダの言葉。 瓦礫が積み重なるように空虚が連なる日常に、与えられたものを嘆くのは簡単で、そこから抜け出すことは難しいと思わせられる。