Maoryu

オーケストラの少女のMaoryuのレビュー・感想・評価

オーケストラの少女(1937年製作の映画)
3.8
失業中の音楽家ジョン(アドルフ・マンジュー)は拾った財布の金で家賃を払うが、娘のパッツィー(ディアナ・ダービン)はそれを持ち主に届ける。なりゆきでその場にいた富豪婦人に失業者の楽団を支援してもらうことになるが、その実現には道のりは長く、パッツィーは実業家や有名指揮者ストコフスキー(レオポルド・ストコフスキー)を説得して回り始める。

「百万人の音楽」が素晴らしかったヘンリー・コスター監督による、ありえない勘違いとイタズラが生み出す荒唐無稽なハッピーストーリー。

本人役で登場する名指揮者はホセ・イトゥルビではなくレオポルド・ストコフスキー(知らなかったけど)で、かき回す少女はマーガレット・オブライエンからディアナ・ダービンということで、設定は「百万人の音楽」にかなり似ている。
ストーリーは真面目に観てしまうとバカバカしく、失業した音楽家たちのやさぐれぶりは、あまり同情を誘う姿ではなかったなー。笑

それでもテンポと都合のいい展開と、音楽の楽しさでグイグイ引っ張られていく。80分という短さもちょうど良かった。
特に終盤、上階からフロアとらせん階段を埋め尽くす演奏者たちを俯瞰する映像は圧巻にして耳福。

ディアナ・ダービンは歌は抜群!だけど、あざとさ強烈で引いちゃった。笑
脇役には、冴えない父親役に「モロッコ」「ステージ・ドア」のアドルフ・マンジュー、傲慢な事業家役に「レディ・イヴ」「天国は待ってくれる」のユージン・ポーレット。この2人が、もの凄い存在感とお遊びで楽しませてくれる。
ついでに、タクシー運転手の合いの手が粋だったなー。
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