ヘルシンキに住む女性アンサ(アルマ・ポウスティ)は勤め先で賞味期限切れの食品を持ち帰ろうとしてクビになる。工場で働くホラッパ(ユッシ・ヴァタネン)は飲酒で解雇される。2人は出会い一緒に映画を観て食事するが、ホラッパのアル中が原因で別れてしまう。意を決して酒を絶ち、アンサに会おうとするホラッパだったが…
アキ・カウリスマキ監督の復帰作。
ウクライナの侵略にガザの紛争を伝えるラジオは、現代を感じて新鮮だった。ただ、カメラ固定の長回しにセリフ棒読み、壁に置かれたソファにランプ、労働者たちの描写とカウリスマキ節は健在。
どこにでも、誰にでも不幸と幸福はやって来ると言わんばかりに、お洒落とは程遠い愚直な愛が描かれる。
舞台は現代のはずなのに、映画館にはデヴィッド・リーンの「逢びき」、ゴダールの「気狂いピエロ」、ジャック・ベッケルの「穴」、ロベール・ブレッソンの「ラルジャン」と時代もジャンルもバラバラのポスターが並んでるのが面白かった。
そして、ラストはチャップリンだ。映画愛を感じたなー。