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生きてるうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言のoliveのレビュー・感想・評価

3.9
始めなんの事かさっぱりわからず当時学校が荒れてたんだろうなぁぐらいの感じで見ていた。とんでもなかった、とんでもないもの見ちゃったなぁ。
現実にある敦賀美方原発の建屋を背景に入れながら撮るという今ならありえないんじゃないか?という気がする。思い切った告発、振り切った演出、大丈夫だったのか?圧力などはなかったのか?完全にフィクションですよのスタンスだったのか?色々心配になってしまう。ま、心配したところで35年も前の作品なのだけど。
原田芳雄ってやっぱり凄く色っぽくてほんとにかっこいい、役もいいし合ってた。声フェチとしてはあの声がまたいい。平田満もいい、おかしくて哀しみも優しさも全身で滲み出させてた。倍賞美津子、若くて日本人離れした感じで迫力があった。殿山泰司、そうそう、こんな名優がいたなぁ。
実際あった東海の原発事故はたしか何も知らされてない作業員が重大さを分からず被爆したというものだった、でも結局は何となく尻すぼみで終わった印象だった。その後に福島第一原発事故が起こる。映画はフィクションかも知れないけど全部が真っ赤な嘘だと言い切れない。
今も原発事故の作業員は世間の多くの人が忘れたように暮らしている反対側で厳しい現実と向き合っていることを忘れてはいけないと自分を戒める。コロナで様々な問題が霞んでしまったような今この映画を見る意味は大きかったと感じる。
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