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ヒトラーのための虐殺会議のoliveのレビュー・感想・評価

ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)
4.0
胸が悪くなった、実際吐き気をもよおした、これが実際にあったことだから目を逸らすべきではないと思いつつ「人とは」という根源的なことを思い自分をも疑うなんともやりきれないものだった。
しかし、大事な事は議事録を残し後の者が検証できるようにしているという一点のみが素晴らしいと感じた。日本は敗戦を迎える時に数多の記録を廃棄、焼却してしまっている、その為責任の所在も曖昧で東京裁判においても公平かつ正当に審判されていないことも多い、歴史修正主義者達によってあった事もなかったようにされるのも隠蔽の賜物だと思う。
アイヒマンの有能、冷徹ぶりが凄まじい。考えてみば600万人もの人を虐殺するのだからその手順やら段取りは綿密だったはず、だけどそのことについて考えたことはなかった。昔深夜にアウシュビッツでガス室から出された人をブルドーザーで山のように積み上げ髪の毛、メガネ、金歯などを取り分けそれを山積みしていた映像を見てその光景を何十年たった今でもはっきり思い出す。実際に作業したのもユダヤ人で人はこれほどまで残虐になると戦争の狂気を改めて感じる。
見なければよかった、見なければならなかった、見終わってどちらかわからずにいる。
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