浅野公喜

クロウ/飛翔伝説の浅野公喜のレビュー・感想・評価

クロウ/飛翔伝説(1994年製作の映画)
3.6
婚約者と共に殺された男がカラスの力で甦り復讐を開始するブルース・リーの息子ブランドン・リー主演のダークファンタジーアクション。撮影中の事故で亡くなったことでブランドンにとって遺作である今作、中学生の頃から観たかったもののツタヤには置いてない&配信されてない、やっとツタヤで置き始めたと思ったらブルーレイだったりしてなかなか観れなかったのですが今回やっと観れました。

黒を基調としたダークでスタイリッシュな世界観はスティングやインエクセス等のPVを手掛けてきたアレックス・プロヤス監督の培ってきた能力が遺憾なく発揮されてる印象で、不死身のダークヒーローでありつつも理解者である少女や警官と触れることで滲み出る人間味がベタでありつつも魅力的。惜しむらくはスタイリッシュさの代償か、メインの復讐劇が意外とあっさりしており、ギャング達がガラスを突き破って落とされる、女がカラスに目をやられて転落する以外はこれといったハイライトがぱっと思い浮かびにくい点。ギャングのリーダーの強面マイケル・ウィンコットはじめ「コマンドー」デヴィッド・パトリック・ケリー、「キャンディマン」トニー・トッド等如何にも憎たらしい面々が悪役として揃っているのでもっとド派手な死に様を見せて欲しかったです。

デヴィッド演じるTバードの名前の由来であり、彼が乗るスーパーチャージャー付フォード・サンダーバードが格好良く、BGMにはキュアーやNIN、パンテラやレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン等いかにも90sな面々が起用されており作品を<黒く>彩ってくれます。
浅野公喜

浅野公喜