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クロウ/飛翔伝説の消費者のレビュー・感想・評価

クロウ/飛翔伝説(1994年製作の映画)
4.8
・ジャンル
ダークファンタジー/アクション/リベンジ/アメコミ

・あらすじ
舞台は荒廃したデトロイトのある街
毎年、ギャングによる放火が多発する事から“悪魔の夜”と呼ばれるハロウィン前夜
翌日に結婚式を控えていたロックミュージシャンのエリックと婚約者のシェリーが立ち退きを拒んだ事を理由に襲撃に遭う
エリックは窓から突き落とされ、シェリーはレイプの末に殺害
その1年後、墓場に眠っていたエリックは冥界の遣いであるカラスによって悪を正すべく魂を引き戻される
生き返った彼は身に付けた治癒能力と圧倒的なパワーで報復を決意
2人を殺したギャングのメンバー達を1人また1人と葬り去っていく
やがて彼の存在は噂となり街の無法者達を取り仕切る黒幕トップ・ダラーの耳に…
死の淵から蘇った復讐者と暗黒街のボス
生き残るのは果たしてどちらとなるのか?

・感想
ジェームズ・オバーによるカルト的な人気を誇る同名漫画作品の実写版作品
本作で“クロウ”こと主人公エリック・ドレイヴンを演じたブルース・リーの長男ブランドン・リーは撮影中の事故によって亡くなっている

所謂ダークヒーロー物の実写版として「スポーン」や「パニッシャー」と並び支持を受ける人気作
かなり期待しての鑑賞だったけど想像以上にかっこいい作品だった!
死から蘇り復讐者となるという点では「スポーン」と設定は近いものの、世界観や内容としては「バットマン」に若干の「マスク」的な無敵さを足した様な感じで違った魅力がある
また主演がブルース・リーの長男ブランドン・リーという事もありアクション作品としての強度もなかなか高い
ビジュアルもコープスペイント(ブラックメタルのメイク)の様な白塗りにロックを感じるレザー衣装と簡素ながらオーラが凄まじくインパクト大!
ブランドン・リーの顔立ちがまたハマってるんだよなぁ…
ハマり役なだけに撮影中の事故で亡くなったというのが本当に悔やまれる…

主人公エリックは手段を選ばず報復を行なっていくんだけど殺し方がまた良いのよな…
ナイフで全ての臓器を順番に刺したり、大量の注射器を刺したり、自分がされた様に突き落としたり…
使い魔的存在のカラスも終盤ではかなり惨い形で加勢していて良かった

ダークヒーローと言えど基本的にエリックは善人なのでストーリーは正統派
それ故に少々クサい描写も端々にある
だけどそれが逆に厨二心をくすぐる良いスパイスになっていたのも秀逸
その上で基本的に肉弾戦や近接戦闘、銃撃戦で戦闘が構成されているのがまたアツい
「スポーン」はCGを存分に活かした映像が素晴らしかったけど本作はよりアナログでそこも好き
カラス視点の歪んだ映像やエリックの頭に流れ込む記憶なども肉体的には無敵でも精神的には傷心である事の表現として最高
欲を言えばゴア表現がもう少しあるとより嬉しかったかな

一応、続編もあるけど叶わない事とはいえブランドン・リー主演で観られたら最高だっただろうなぁ…
とはいえダークヒーロー物としてあまりに魅力的なので期待はしたい
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