マーくんパパ

四重奏のマーくんパパのネタバレレビュー・内容・結末

四重奏(1948年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

サマセット.モーム短編4つを別々の監督が繋げたオムニバス。冒頭モーム自身が前口上を言う貴重なフイルム。①人生の実相:モンテカルロへテニスの遠征に出かける息子に父は賭けはするな、金は貸すな、女に気をつけろと忠告する。しかし息子はカジノで馬鹿勝ちして気前よく女に金を貸し女のホテルに泊まり込む。女に金を抜き取られ花瓶に隠したのを見ていたのでこっそり無事持ち帰るが女の金まで持ち帰っていた為、更に倍に増えていた。②変わり種:大富豪の跡取り息子は親族の希望に反してピアニストになりたいと意固地になる。許嫁の提案で2年間パリで勉強しモノになるかその後一流ピアニストに判定してもらうことに。2年後、帰国し邸宅で演奏するが上手いが芸術家に必要な魂がないと判定され家業を継ぐ決心を固めるが、その直後部屋で猟銃が轟く。裁判所では自殺ではなく単なる手入れ中の暴発事故と判定される。③凧:小さい頃から凧上げに魅せられた息子とそれを溺愛する母親。息子が連れてきた恋人はそんな趣味に興味なく、母も息子を取られる悔しさから嫁姑の諍いが初対面から始める。結婚しても隠れてカイト作りする夫にキレて大事な大凧を壊したことで別れるが養育費を払わない夫は刑務所に入れられる。教誨師の忠告で出所した夫を凧上げして出迎える妻がいた。④大佐の奥方:公務に忙しく貞淑な妻を構わない名誉職の多い大佐、妻が詩集を出したと聞いても読まずに知らん顔。ところがその詩集が大反響の売れ行きでしかも内容が相当過激な若い男との恋愛モノで男の死で終わるらしいと聞かされ穏やかでなくなる夫。何処へ行ってもあの夫人の夫として紹介され立場が逆転、自分が辱められてると苛立つ大佐。とうとう妻に相手の若い男は誰だと問い詰めるが妻の答えは若い頃のあなただと告白される。どれもイギリス流のエスプリ効いてて面白い。物語としては④が一番のお気に入り、次いで③→①→②の順かな。②の許嫁が後の『007ゴールドフィンガー』ボンドガールのO .ブラックマン、一流ピアニストの演奏付き③の凧上げ男が若かりしD .ボガードと色々楽しめます。