haru3u

デザート・フラワーのharu3uのレビュー・感想・評価

デザート・フラワー(2009年製作の映画)
4.5
ソマリア出身の女性ワリス・デイリーが、世界のトップモデルとして花開くまでを描く自伝的映画。明るいサクセスストーリーに絡めて、彼女の祖国の忌まわしき慣習が告発されます。

FGM(女性器切除)は主にアフリカを中心に行われる風習で、日本では馴染みのない言葉です。医学的目的は全くなくて、伝統と社会的プレッシャー、そして宗教的理由によるとのこと。多くの女性が痛みに苦しみ、不衛生な処置に命を落とすケースも。
民族の伝統文化は勿論尊重されるべきだけど、明らかに人権侵害に当たる行為を許すわけには。。とはいえ、問題の根本には男尊女卑的な風土や社会的構造があって、FGM根絶への道のりは長く困難でしょう(私も本作で初めて知りました。)

映画は、現在でも1日6000名の少女にFGMが処置されていると締めくくります。痛みと恐怖に泣き叫ぶ、幼い子供の悲鳴がしばらく耳から離れませんでした。
haru3u

haru3u