酒飲んで、妻に暴力を振るうような男が主人公。
そしてその男がドラックに手を出し、仕事に手はつかなくなり、膨らむ借金、そして増える暴力と社会の底辺へと落ちていく話。
よくあるような話なのだが、こういうダメ男の映画は得てしていい映画が多い!
ダメダメなだけ、底辺にあるからか、ちょっとの光でも眩しく感じてしまうのだろうか。
そしてこの映画のその眩しさはかなりのもので。
130分の中で、うわっ、何このシーンっていう鳥肌もんのシーンがいくつもありヤバい!!
場面場面のカットの仕方、挿しこまれる映像が本当にすごい。
ただ、神シーンが多くありながらも、その神シーン間が正直かなり退屈なため、見ていると、
タリーなというのがしばらくあり、うわっきた!神シーン、タリーな、うわっきた!みたいな感じである。
脚本が合わないのかもしれないが、根津甚八さんにあまり魅力を感じなかったというのも大きいと思う。
しっかしラストはハンパないし。
というか、全編を通じて、二人の家やバーでの会話シーンはめちゃくちゃよい。
独特の間、そして少し響くような音響。
離れたところからの長めの映像のその距離感がたまらない。
寂しさ、そしてどうしようもなさが画面から嫌というほど伝わってくる。