イタリアの名優R・ベニーニが自ら監督・主演し、ホロコーストから幼い息子を守ろうとする父親を描いた、笑いと涙のヒューマンコメディ。
第71回アカデミー賞で3部門を受賞。
カンヌ国際映画祭審査員グランプリ。
前半は、主人公グイドが小学校教師のドーラと出会い、恋して、結婚し、男の子が生まれて幸せな生活を送ってくる様子をユーモアを交えて明るくカラフルに描く。
ところが後半、戦争により彼らがユダヤ人強制収容所に入れられてしまうところから映画の雰囲気は一気に変わる。
画面から笑顔が消え、緊張感のある描写が静かにモノトーンで語られる。
最愛の息子を怖がらさない為についたグイドの優しい嘘。「収容所はゲームなんだよ」
グイドの想像力は、収容所をスリリングで楽しい物語に彩るが、現実の世界は変えられない。
「しゃべったり、泣いたりしたら減点。1000点取ったら戦車に乗れるぞ!」
息子を守る為の父親の必死の演技が見るものを泣かせる。
戦場は写さなくても戦争の怖さがヒシヒシと伝わり、前半のなんでもない日常がいかに尊いものだったかと思い起こされる。
〈最も悲しい事をファンタジーとして描く。〉
正攻法ではないこの逆転の演出が、戦争の悲惨さをより強く訴えかける!
ロベルト・ベニーニの才能が溢れ出す。
大好きな映画で、何度見ても泣ける。
学校の授業でこういう映画を子供達に見せてあげたい。
公開時に劇場で鑑賞した映画をDVDにて再視聴。