kazマックスグローバーレッド

ライフ・イズ・ビューティフルのkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

5.0
第二次大戦の子供の話『ジョジョラビット』を見て、『サンゲリア』〜『ドッグマン』までイタリア映画続きだったので久しぶりに『ライフイズビューティフル』も鑑賞。

『幸福なラザロ』で悪徳夫人を演じてたニコレッタブラスキが「ボンジュルノお姫様!」と呼ばれる美徳夫人。連行されても息子を喜ばせようとオモチャの兵隊のマネをして行進するクイドを演じたロベルトベニーニは泣けます。

前半と後半のトーンが違い過ぎて、何気ない日常が急に奪われガラリと変わる様を強調している。唯一変わらないのはクイドのジョズエに対する愛情。嘘も方便とはまさにこの映画のこと。足踏みをして風呂に入りたがらないジョズエが微笑ましいです。

アカデミー賞では主演男優賞取ったロベルトベニーニは椅子から飛び上がって喜んでいた姿が印象的でした。

2002年に映画の舞台になったイタリア アレッツォのサン・フランチェスコ広場(チャリで3人乗りしていた広場)へ行きましたが、町自体が[この場所はこの場面を撮影した場所]と各シーンごとの看板を建てて映画のロケ地巡り観光地になっていて、まるで映画の中に入っていったような感じでした。

その後にアウシュビッツ強制収容所にも行ってきて、そこは21世紀に入っても当時の悲惨な現状が伝わってくる状態のままでした。外観はそのままで中身の一部を博物館にしている建屋もあり、約10メートル程のガラス張りの各部屋には大量のユダヤ人の髪の毛・メガネ・靴・カバンがぎっしり詰められていて、映画の中で出てくる死体の山のおぞましさを連想させました。

こんな絶望状態の中で希望を笑いに変えて描いたロベルトベニーニ監督の演出手腕は凄いです、そして最後はやっぱり泣きました。