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あの夏、いちばん静かな海。のdrugmasterのレビュー・感想・評価

4.3
鑑賞開始数分で「いちばん静かな海」の意味がわかってしまい切なくなった。
茂は波の音が聴こえない。
それでも茂は海を愛し、海に愛された。
淀みなく澄み切った空と海の青、水平線はこの世のあらゆるものよりも真っ直ぐで、茂と貴子の生きる今=青春を象徴しているようだと思った。
そして春の先には、夏がある…

登場人物達の押し付けがましくない優しさがいい。
そして寺島進はこの頃から本当に良い役を演じていると思った。

胸の奥にあるノスタルジーを掻き立てるような音楽はもしかして…と期待をしてエンドロールを見たら、久石譲さんで納得。
美しい映像と、優しい音楽、言葉を紡がない余白、それらの調和、素晴らしい。
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