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ジョーカーのdrugmasterのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.3
いやもうしんどかった、めちゃめちゃ。
なんせIMAXで観ちゃったからね、これまでにない美しさと臨場感と理想的なクリアなサウンドのIMAXで。いままでにない映画との一体感を体感できるIMAXで。
笑いたくもないのに笑ってしまうって、もうそれだけでかなりしんどいのに、社会情勢とかめっちゃ不安で、置かれてる境遇もまた境遇で、それなのにコメディアンなんか目指しちゃうもんだから、しんどさ増しまくり。
ところどころで差し込まれるカット、アパートに続く階段の急傾斜とか、貧困層が住む街並みを見下すように立ち並ぶ高層ビルとか、が彼の不遇さをより一層浮き彫りにする。
しかし、恵まれない境遇にある優しい男であるが故に闇に堕ちることを拒めなかった、というようには見えなかった。
どちらかと言ったら吸湿性の高いコットンのように、みるみる汚れた油を吸い取るような「才能」を彼が備えていた、ように映った。
何というか、カードが揃っていたんじゃないかな、と。彼の持つツキの無さや患っている病などもカードの一枚一枚で、一つ違っていたらブタだったのに、その他のも上手く揃っちゃって、極悪なロイヤルストレートフラッシュが完成しちゃった、みたいな。
しかし一方で、やるじゃん!良かったじゃん!と思う自分がいたりもする。何をやっても浮かばれなかった冴えない、というか、女子ならば十中八九が生理的にムリと言いたくなるような中年男が、悪に返り咲く凛々しい姿と言ったら…
いやいや、良くない、怖すぎ!

ラストシーン、病院の廊下で看守?と追いかけっこしてアメコミのジョーカーに戻って幕引き、みたいな感じになってるけども。
いやもう本当に底抜けに悪いジョークだよ…
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