一人旅

オズの一人旅のレビュー・感想・評価

オズ(1985年製作の映画)
5.0
ウォルター・マーチ監督作。

オズの国に戻った少女の冒険と成長を描いたファンタジー。

アメリカの児童文学作家:ライマン・フランク・ボームによる1900年発表の「オズ」シリーズ第1作をヴィクター・フレミング監督が映像化した映画史に残る不朽の名作『オズの魔法使』(39)。本作は、それから46年後にMGMに代わってディズニーが製作した続編的位置づけのファンタジー映画で、原作小説の第2作「オズの虹の国」及び第3作「オズのオズマ姫」を基に、オズの国に戻った少女:ドロシーの新たな冒険を描いた“後日譚”となっています。

オズの国からカンザスに戻って半年が経過した頃、ドロシーの空想癖を心配した叔母夫婦によって精神病院に収容された彼女は、電気ショックの荒療法から逃げている途中、川に転落し流されてしまうが、目が覚めるとそこはかつて訪れたオズの国だった―という展開のファンタジー作品で、平和だったエメラルド・シティを支配する邪悪なノーム王に立ち向かってゆくドロシー&旅のお供の冒険と闘いを活写しています。

臆病ライオン、案山子、ブリキ男に代わって、本作ではパンプキンヘッド、大鹿、ゼンマイ仕掛けの兵隊を新たに仲間にして、邪悪な王によって石化されてしまったエメラルド・シティの住民達を救い出すべく危険な冒険を繰り広げるドロシーの活躍をファンタジックな映像満載に描いています。いくつもの首を付け替えることができる邪悪なモンビ王女や、車輪状の手足でドロシー達に襲い掛かる“ホイーラーズ”、ドロシーを監視し王に報告する顔面岩など多彩なキャラクターが観客の目を楽しませてくれますし、エメラルド・シティの荒廃した光景やノーム王が根城とする地底王国のダークな映像世界も凝っています。

1939年製作の古典的名作をディズニー流に味付けした非公式の続編ですが、ドロシーを演じたフェアルーザ・バークは前任のジュディ・ガーランドと風貌が似ています。
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