オトマイム

夏の妹のオトマイムのレビュー・感想・評価

夏の妹(1972年製作の映画)
3.6
返還直後の沖縄オールロケのATG作品。

栗田ひろみが可愛い。そしてリリィが若くてアンニュイ。映像は古ぼけてるしショットが美しいわけでもなく、出だしからこれは微妙だぞ…と見極め時を考えていた。しかし作品には不思議な引力があり、結局一気見。笠智衆の台詞回しもよしと思えば(彼は本作には出てません)天真爛漫で愛くるしい栗田ひろみの棒読み台詞もなかなか味わいがあるというもの。

脇を固める俳優たちの渋い演技で画面がぴりりと引き締まったと思う。存在感抜群の中年男たちが出揃った中盤以降ぐんと面白くなった。

沖縄が日本に返還されたのが1972年5月。本作公開が1972年8月。大島渚監督のフットワークの良さには恐れ入る。思いついたら即行動の人だったんだろう。初・大島渚監督だったが、他作品も観てみたい。