ヤマト

デモリションマンのヤマトのネタバレレビュー・内容・結末

デモリションマン(1993年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

【 凍った時代をぶっ壊せ 】
 容姿肉体は当時のままに脳内のみ更生するという衝撃的な「冷凍刑」が実にユニークで、この設定が本作のカギとなり、凶悪犯を凍らせるわけである。
 作中では90年代。そのときの凶悪犯ふたりが冷凍刑を受け、約40年後に解凍されて釈放されるというこれまたユニークな話である。監督や当時の時代から見た未来が本作に映し出されているのだが、「こんな未来図を描いていたんだな」とそんな思いと流れる映像が重なり愛おしい。ちなみに時代設定は現代よりも少し先である。
 本作での2030年代はとにかく冷え切っていた。人との過度な交わりは禁止、罵詈雑言禁止、食べ物は健康のためにタブレット、タバコももちろん禁止。まさに退屈で人としての喜びが制限されることに慣れきってしまった時代である。マイルドといえばマイルドか。
 解凍された凶悪犯のうち一人は警官であり、それがシルヴェスター・スタローンである。実刑の理由が凶悪犯を片っ端から逮捕する凄腕警官ではあったが、街を破壊しまくってしまったから。“デモリション”とは破壊の意である。スタローンらしいといえばスタローンらしい。相変わらずの“ぶっ飛び様”でたまらない。「法を破るんだ」といって禁止されているキスをしようとするところは最高にカッコよかった(あえなく拒否されるが)。
 そんな冷たくつまらないマイルドな時代を過去に冷凍された最強の男たちがぶっ壊していくストーリーは迫力満点。そうなのだ。マイルドだけでは味気ない。マイルドはいいけれど、それにスタローンやウェズリー・スナイプスのようなワイルドさを組み合わせた時代がちょうどいいのではないだろうか。
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