きゃなりあ帝國

生きものの記録のきゃなりあ帝國のレビュー・感想・評価

生きものの記録(1955年製作の映画)
4.3
これは面白い。

当初のタイトルは『死の灰』

主人公の60歳のお爺さん役が当時35歳の三船敏郎さんなのさすがにビビる。演技力が多彩すぎるでしょ。

原爆、水爆の恐怖から逃れるために家族全員でブラジルに逃げるって考えは本当に優しい人なだなぁって思う。だけども息子さんたちが反対するのもわかる。

燃えた工場のセットが本当によくできている。
新築の東宝第8スタジオの壁面を焼け跡に見立てて塗装したため、会社に怒られたってエピソードめっちゃ好き。

『地球が燃えている!』
最後はなんだかウルトラQや怪奇大作戦を観たような後味が残った。

メモ
・1954年3月1日第五福竜丸事件
・「マルチカム撮影法」を本格的に導入
・1955年6月20日にリハーサルを開始
・7月6日に黒澤監督がサナダムシのため入院
・10月11日台風で工場のオープンセットがほぼ壊滅
・音楽担当の早坂文雄さんが、10月15日に結核で死去
・ブラジル移民役が東野英治郎さん