人の生きる意味について、寅さんは、
「ああ、生まれてきてよかった。そう思うことが何べんかあるだろう。人間そのために生きてんじゃねえのかな」
と言う。なんだかいい言葉だなぁ。
今作は寅さん版『母をたずねて三千里』。
少年の父が死に、昔逃げた母(五月みどり)を寅さんが少年といっしよに探す…というストーリー。
いつもは傍若無人な態度で周りに迷惑をかけるだけの寅さんが、今作では、ただひたすら人助けをしている。
今作のマドンナの秋吉久美子さんも、片想いとか、恋愛というより、寅さんの手助けをして少年を助ける役回り。
異質な寅さんだけど、謎も…
渥美清とともに事実上の主人公の少年(伊藤祐一郎)が、この一作にしか出演していないこと。
Googleで調べてもこの子のことが出てこない。同姓同名の人が県知事になっているから県知事になったという記載もあるけど生まれた年などから確実に別人。
いずれにしろ、人助けをするだけの寅さんも良いものです。