のすけ

デスプルーフ in グラインドハウスののすけのレビュー・感想・評価

4.3
最初の安っぽいテイストの映像で若い女子たちがガールズトークを繰り広げる場面は正直あまり惹かれなかった。
実際この映画にはタランティーノが好きな70〜80年代のB級映画へのオマージュが込められているらしいから、わざと汚いフィルムの感じが出ているの仕方がないかもしれない。個人的にはハマらなかったけど(そもそもオマージュに対して評価するのはその映画の本質を見ていないことだと思う)。
タランティーノらしい長い会話シーンも今回はハマらなかった。ガールズトークだからなのか、単純に今回の内容が自分に合わなかったのか。

でも、スタントマンマイクが出てくると、この映画に対する不安は一瞬にして吹き飛ぶことになる。
何やら異様な雰囲気を出しているスタントマンマイク。彼が豹変するシーンはこの映画の最初の転換点とも言える。
デスプルーフ仕様の車に乗ると、彼は豹変し凶暴な殺人鬼の様相を見せる。
まず、そのデスプルーフという発想も面白いし、助手席の女性をブレーキで殺すシーンは凄惨。また、若い女子グループの車に突っ込むシーンはとてつもない迫力。各女性の死に方を、4回繰り返して衝突シーンを流すことでそれぞれ見せている。死に方大喜利のようになっていて、ギャグシーンではあるが超スペクタルになっている。カースタントもすごい。どう撮ってるのか気になるくらい。車の上にいてスタントをしているのが女性っていうのも面白くていい。

また、「サイコ」のように主人公と思われた人たちが中盤でリタイアする展開も面白かった。展開が読めないという点はこの映画の最大のポイントとも言える。スタントマンマイクが次々と若者を殺していく展開かと思えば最後にはスタントマンマイクがボコボコにされるという展開。最後のマイクのやられようは非常に痛快で面白い。
のすけ

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