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不滅の恋/ベートーヴェンのポチッとなあのレビュー・感想・評価

不滅の恋/ベートーヴェン(1994年製作の映画)
3.5
1994年公開。子供の頃に酒癖の悪い父から虐待され、道ならぬ恋に悩み、難聴になってしまう。そんな苦悩の連続の中で後世に残る偉大な曲を残した天才作曲家ベートーヴェン。その遺書に書かれた不滅の恋人とは誰なのか。現在もその謎は解かれていない。
ベートーヴェンが秘書のヒンドラーに言ったこのセリフが印象深い。
音楽はその力によって、作曲家の心の奥に聴く者を引きずり込む。抵抗することはできない。催眠術と同じだ。この曲を書いた時の私の心が分かるか。男が愛する女のもとへ急いでいる。嵐の中、場所が壊れ、車輪が泥にはまり込む。彼女は一人待つ。これは焦る男の苛つく心の音だ。音楽が表すのは、生き方だの、考え方などではなく、ありのままの事実だ。
才能あふれる天才ゆえの苦悩と、天才にしか見えない風景を垣間見せてくれた121分。