暗闇でドッキリカルヴェロ

北斎漫画の暗闇でドッキリカルヴェロのレビュー・感想・評価

北斎漫画(1981年製作の映画)
3.7
「あなたの魔性は?」

今日映画館で『HOKUSAI』を見てきてどうしてもこの作品を見直そうと借りてきました
以前見たのはもう何十年も前のこと、高校生の頃だったはず
当時はどう考えだってニキビづらの男子なんだから内容なんかたったくん頭に入らず二人の女優さんばかりに目がいき何が何やらな〜んにも覚えてなかったな
お栄(田中裕子)が北斎の娘だったとは知らなんだ
それに「蛸と海人」のモデルもお栄だとばかり思ってました
やれやれなんとしたことだ、少年はただただすけべな映画を見ただけだったんだな〜
この歳んなってやっと映画として、作品としてしっかりと見る事ができてホッとしましたよ
とは言ってもやっぱりお二人とも若く美しいしいやらしい
でもそこを感じなきゃこの映画の意味がない
なんせ魔性を筆を使って紙に落とし込む、その一部始終を映像で見るのだからね

さてこの映画の魔性とは何なのだろうか
辞書でひくとこうある
  魔物が持っているような、人を惑わす性質。
ようするに混乱させてしまうという事なのだろう

それなら分かる、例えば誰かに恋をしたりすればたちまちにしてそのものの行動がおかしくなる物だ
北斎は誰にでも魔性を持っていると言っていた
お直は男を弄ぶ魔性を、お栄は北斎に身を捧げた事がそうなのかも、馬琴は当然書を書くことに魅せられた
そして北斎は己の魔性を呼び出すためにあらゆる手を使い絵を残したのだ
あのどうしようもない感情の爆発は何処から来るのだろうか
私にも少しは経験がある、夢中になったもの、生涯続けようと思う趣味とか、そんな軽いものではないでしょうねこの映画が言いたかったのは
流されるほどの雨が降れば私もその中を走り出したくなることは確かです
本当にひどい雨の時って思わず笑ってしまうからね