Yuto

ホビット 思いがけない冒険のYutoのレビュー・感想・評価

3.7
まず最初に、フォロワー数100人を突破しましたことを心より感謝申し上げます。皆様大変ありがとうございます。



さて、つい先週「ロード・オブ・ザ・リング」(以下ロード)3部作を鑑賞し終え、次はその前日譚に当たる「ホビット」3部作が新たに始まる。

ロードで描かれた世界の60年前を舞台に、主人公のビルボ(ホビット)が魔法使いガンダルフと、かつて王国を竜に奪われた13人のドワーフと共に故郷を奪還すべく冒険の旅に出る物語。
ビルボがどうやってあの指輪を手に入れたのかも本作で描かれ、あのゴラムも登場する。指輪が本シリーズで今後どのように扱われるのかは次回以降のお楽しみだろう。


本作の公開は2012年、つまりロード1作目の11年後の映画だが、画質の向上が顕著にわかる。画質の向上に伴いコンピューターの性能も上がっているはずなので、VFXも向上している。
オークやゴブリンなど敵キャラの外見は全てCGIで処理されている。そういった視覚的な要素に映像技術の進歩が見て取れて、それはそれで面白かった。

本作もシリーズの例外に漏れず170分とかなり長いが、なぜ長尺でも長く感じないのか。やはりそれは、視聴者が見るもの全てが実際にはないものであり、現実世界では絶対に体感できないようなものを映画を通して疑似的に体験できるというところだろう。
次は何が起こるんだろう、次に何が見れるんだろう。それらの積み重ねが視聴者を世界観に引き込み離さない。今までファンタジー映画はあまり観てこなかったが、ここに来てファンタジーというジャンルの面白さを再認識できた。


本作の全体的な印象としては、意外と結構大人に向けた映画なんだなと思った。
サブタイトルの『思いがけない冒険』とあるように、結構いきなり冒険が始まる。主人公ビルボはロードの時より若いとはいえ既にいい年した大人だ。そんな大人がいきなり冒険の誘いを受け、当然行こうか行かないかで迷う。この辺の脚本はかなり性急ではあったが、子供心を忘れがちな大人を世界観に引き込むためのものとして機能している。
なので子供よりむしろ大人にオススメできる映画であると感じる。


個性豊かなキャラクターや細部に至るまで作りこまれた世界観、トップクラスのVFXは映画を長く感じさせないのには十分だが、いらないかなと思う要素もいくつかあった。
中盤の岩の巨人が戦ってるシーンは正直いらない。なぜ戦ってるのかよくわからなかった。トロールがコミカルに喋る設定も必要ないと思う。前作まで純粋に恐ろしい化け物として描かれていたが、それはそのままで良かったんじゃないかな。
ご都合主義的な演出も見られ、ちょっともったいないなさも感じる。


後半でドワーフ一行とガンダルフがゴブリンの巣窟を脱出するシーンは爽快の一言!あのシーンが一番好きですね。
あと本作のゴラムはめちゃくちゃ良かったです。アンディ・サーキスはモーションアクターの天才。



作品の位置的にはロードの前日譚なので、ロード観てなくても観れないことはないと思います。

次は『竜に奪われた王国』。毎度のことですが、次回も楽しみです。
Yuto

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