メランクさん

ワイルドバンチのメランクさんのレビュー・感想・評価

ワイルドバンチ(1969年製作の映画)
5.0
2023年一発目はU-NEXTでこちらを!
去年もヒストリーオブバイオレンスから始めましたが、
狙ったわけじゃないがまたバイオレンス!
イェイイェイ!

冒頭からいきなり激しい撃ち合いから始まるんだけど、
両サイドとも何者なんかよくわからないので
とにかく無関係に撃ち殺されちゃう群衆かわいそう。
街中での銃撃戦は幼い頃に行ったウエスタン村のショウを思い出したけど、
考えてみると西部劇ちゃんと見たことないから
まともにあぁいうの見るの初めてだったかも。

徐々に関係性はわかってくるんだけど、
もともとは仲間だったパイクとソートソンがやり合う話かと思ったら
そんな単純な話でもなくて、
あくまでパイクと仲間たちの話でありつつ、
ソートソンや他の勢力の関係性に入っていって
その結果どうなっていくのかという話だった。

冒頭から子どもが蠍を弄んでるシーンがあり、
金、酒、そして女が執拗に出てくるわけなんだけど、
とにかくマッチョな振る舞いをするパイクたちには
どうしても好感を持ちにくいなって思うんだけど、
あくまで暴力的な彼らの姿を描きつつ、
義理堅さから絶望を選ぶ最後を見たときに
パイクたちをただかっこよく描いてんじゃなく
やっぱりなんとも滑稽で批判的に描いてるように見える。

もちろん将軍たちが全滅してくのは爽快なんだけど、
その代償として自分たちも死んでいるし、
それを選ぶ躊躇いのなさには感動よりも
哀れみや滑稽さを感じる。

やっぱりペキンパーという人は暴力の暴力性に自覚的で、
そこにしか拠り所のない生き方を描くことで
その虚無感や滑稽さを感じさせようとしてるんじゃないか?
そんなことを思いました。

しっかし冒頭だけじゃなく、橋の爆破、
よくわからないメキシコの内乱に
クライマックスに続く戦闘シーン。
いったいどんな金のかけ方してどう撮ってんだよ?
マジで凄まじい作品でした。