Cubansandwich

グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独のCubansandwichのレビュー・感想・評価

4.0
今までに一番繰り返し聴いたCDは、グールドの2種類のゴールドベルクの録音。ブラームスの間奏曲も絶品。ところがモーツァルトになると、一曲通して聴きたくないくらいグールドとの相性が悪いと感じていた。こんな不思議な傾向を見せるこの人はいったいどういう人なのだろうと、長い間思っていたところで見たのが、このドキュメンタリー。どちらかというと演奏の秘密というより女性との関係に焦点が当てられているように感じたが、大変興味深かった。女性に対するアプローチと音楽に対するそれとは何処かで重なっているのかもしれない。またグールドといえば、一つ一つの音が粒立っていて、明晰で、躍動感があるあのタッチの魅力にまず惹きつけられるけれど、その秘密の一端を知ることが出来たのも収穫だった。あんな練習法があったとは。