ちこちゃん

プラダを着た悪魔のちこちゃんのレビュー・感想・評価

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)
4.5
久しぶりに映画を再度鑑賞。前に思っていたよりも、ずっといい映画だと感じた。

ストーリーもよくできている。成績は良く、ジャーナリストになりたい女性がたまたま応募したところがファッション雑誌社、そして鬼編集長のアシスタントだった。そこから彼女の持てる能力と時間をすべて使って、仕事を最優先にして頑張る。そして同僚のアシスタントよりも出世することになる。しかし、同時にそれは私生活をも犠牲にすることになる。つまり、仕事を第1のプライオリティとすることは、それ以外がすべて第2プライオリティ以下になるということである。そしてボーイフレンドや昔からの友人ともうまくいかなくなる、
鬼編集長のミランダが私生活を犠牲にし、複数の離婚をしていることなどから、アンディは自分の人生を見つめなおし、ランウェイを辞める。しかし再就職の面接に行った新聞社でミランダから強烈な推薦状が来ていることを知るのである。そしてボーイフレンドとも再度やりなおすことになる。

途中でミランダのことを中傷する人にアンディは「ミランダが男性だったら、鬼だとは言われないのではないか」というところがある。確かに、そうであろう。そして今は少し変わりつつあるものの、この映画が作られた時は、特に女性が仕事で頑張るということは、私生活やすべてのものを犠牲にしてがんばらないと、男性と対等な立場にはならない時だった。男性以上の働きをしないと、男性と同じには見てもらえない。男性は男性であるということが特別視されないが、女性は女性だから、というラベルを貼られるからである。この映画の時よりは少しは変わっているだろうか。
日本では変わっていない気がする。

アンハサウェイが段々映画のストーリーが進むに従って、痩せて、ファッショナブルになっていき、お化粧も服もすべてが変わっていく。とてもきれいでかわいい。そして洋服が本当に素敵である。
そして言うまでもないが、メリルストリープが最高にいい。最近、この映画の撮影時を振り返って彼女が「この映画の時は、本当に意地悪な役をするので、気持ちが滅入った」とインタビューで答えている記事を見たが、本当にうまい。鬼編集長であるが、第一線を伍していくための鎧とその裏にある弱さが見せていて、それがこの映画の中での役を深めて彩っている。さすがである。

久しぶりに見てやっぱりいい映画であるし、元気になる映画だと思った次第である。なのでスコアも変えました
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