いわやん

旅の重さのいわやんのレビュー・感想・評価

旅の重さ(1972年製作の映画)
4.6
16歳の少女が、家を出る。
四国の中を、麦わら帽子とリュックに杖を頼りに。

劇中で、家のママに手紙を書きながら自分の心情を語るところは、とくに少女から女性に変わる過程が良く出てます。

旅の一座と一緒に、ヒッチハイクしたり、行き倒れになりオジさんの家に転がりこんで。

主役の高橋洋子が、童顔で幼い感じだが、長い黒髪に白いシャツと白い綿パンが、四国の原風景に映えて素晴らしい。

最初、旅に出た時と、ラストの顔つきが変わっていて、旅が人を成長させる感じがよく出てます。

私なりの解釈ですが、この作品が制作された当時、1970年頃から旧国鉄で「ディスカバージャパン」と言うキャンペーンが展開されてました。
この頃、旅行と言えば団体旅行でしたが、個人旅行を推進して「遠くへ行きたい」と言うテレビ番組も国鉄提供で始まりました。

この流れで、女性の一人旅とかも結構あったそうです。

で、この作品を観ると軽快で耳に心地よい音楽と、色鮮やかな田舎の綺麗な風景も印象的で、まさに「ディスカバージャパン」もテーマのひとつと思われます。

ちなみに、劇中で三國連太郎が出てますが、今の佐藤浩市とそっくりで衝撃です(笑)
いわやん

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