かなき

悪の教典のかなきのレビュー・感想・評価

悪の教典(2012年製作の映画)
2.9
【まるで出席を取るみたいに、先生はみんなを殺し続けたんだ。】

妙に薄暗くてじめっとした雰囲気がなんでもないシーンでも心をざわつかせる。
徐々に蓮実がおかしいことに気づいた頃には、文化祭の装飾のおかげで一転してどぎついほど明るく鮮烈な画に変わる。
あとはもう好きなだけ猟銃をぶっ放して、画面はどんどん血しぶきで赤くなっていく。そんなコントラストが印象的だった。

殺害描写がやけにライトすぎたり、急に始まる学芸会のような回想シーンがあったりと、笑っていいのか怖がるべきなのか迷う点が多かったが、蓮実が殺害をただの“手段”としてしか捉えておらず、常軌を逸する行動をしていたという表現としては説得力があった。

少々一方的すぎてなんでもありな感じがしたが、伊藤英明の役作りには凍りつくような何かを感じた。どんどん様子がおかしくなる様が殺害シーンよりよっぽど不気味。

得たものといえば、AEDに録音機能が付いているという知識だけかも。まさかあんな形で役に立つとは…。
かなき

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